※本編は「人」が主で一部「AI」を使います。
KGIやKPIを整理しなければならないのはわかっていても、いざ実務で向き合おうとすると、「何をどう設定すればいいのか?」で手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。
このような状況に対して、弊社が実務の中で積み上げてきた知見をもとに「最低限、これだけは押さえるべき項目」をまとめました。
具体的な指標リストに加え、KGI/KPIの役割や、設定時によくある迷いへの考え方も併せて解説しています。
「KGI・KPI」を整理する“最低限”の項目
※補足:あくまでも「最低限必要な項目」です。実際には、他にも観測すべき数値項目の整理が必要です。本稿の数値以外は「ビジネスモデル・組織構成・目的とゴール」によって必要なものが変わってきます。
CPA ※ビジネスモデルによって可変
- 前提「現在活用しているチャネルは?」
- 認知指数 ex.アンケート調査、GA4などのデジタル指標 etc
- 配荷率 ※計算方法が不明の場合、下記のプロンプト実施
- 配荷率は、もともと消費財マーケティングにおける指標で、「消費者が買おうと思ったときに商品を実際に購入できる店舗の割合を示します。小売業では必須の概念ですが、サービス業や単一店舗型ビジネスでは必ずしも必要ではないと考えます。
- ただし、市場全体でのシェアや提供機会の広がりを把握したい場合には有効です。その際は以下のプロンプトを活用してください。
- (無料)コンバージョン数 ex.無料体験、資料請求、来店数 etc
- (無料)コンバージョン率
- (有料)コンバージョン数 ex.商品購入、有料定期購読 etc
- (有料)コンバージョン率
- 無料から有料への転換数および率
- 平均単価
- チャネル毎のコストおよびCPA
- LTV・継続率 or 解約率・顧客満足度(ビジネスモデルによって定義が異なる)
配荷率のプロンプト
あなたはマーケティング戦略を立てるプロフェッショナルです。
私はある商材・業界を担当するマーケターですが、売上予測モデルを完成させるために「配荷率」を中心に整理したいです。
# 指示
1. 対象の商材・業界における「配荷率」の定義を説明してください。
└ ビジネス向けの専門的な説明と、小学生でもわかる説明の両方を提示してください。
└ 小売業・BtoB・SaaS・ECなど業界特性による違いを補足してください。
2. 配荷率の計算式を示してください。
└ 「売上加重型(ACVベース)」と「単純店舗数ベース」の両方を明示してください。
└ ACVについても、ビジネス向けの説明と、小学生でもわかる説明の両方を提示してください。
3. 添付の売上予測モデル(認知率 × 配荷率 × 過去購入率 × エボークト率 × セット率 × 年間購入率)を完成させてください。
└ 特に「配荷率」について、自社で計算するための公式を提示してください。
└ また、公式を完成させるために必要な数値項目を、
- **自社で管理できるもの**
- **代理店やリサーチ会社など外部から取得する必要があるもの**
に分けて列挙してください。
4. 入力した商材・業界に合わせて、計算例を数値を仮定して出してください。
5. 最後に、その業界で配荷率やこの売上予測モデルをどう戦略に活用できるかを整理してください。
BtoBの場合
- 実数
- 売上(or粗利)
- 契約数(受注数)
- 案件化数(Sales)
- 有効アポイント数
- SQL数(アポイント数)
- MQL数(有効リード数)
- リード数
- 確率
- 成約率(受注率)
- 案件化率
- SQL化率
- アポ率
- MQL化率
- チャネル毎
- MQL
- CPA
- 商談数・率
- 案件化数・率
- 受注数・率
- その他 ※プロジェクトの目的によって必要
- 解約/離反率
- 顧客満足度
KGIはどう決める?
結論、KGIは目的次第です。
目的が「新規リード数を増やすため」であれば、KGIは自ずと「新規リード数」となり、KPIは「展示会におけるリード獲得数」「SEO関連の数字およびCV数」になるでしょう。
では、目的が「マーケティング組織を作るため」となった場合、KGIは何になるのでしょうか?
コンバージョン数、売上、平均単価、新規商談数...どれもありません。
私としては「そもそもなぜ、マーケティング組織を作るのか?」を整理します。そこを深ぼっていくと、企業によって状況が異なります。
例えば、弊社のお客さまでは「老舗ブランドさま」と「株式会社恒電社さま」では近しい目的をお持ちでした。
老舗ブランドさま
「2020年から2021年にかけて「限られた人数でいかに効率的にマーケティングを行うか」あるいは「どのように“チート”(抜け道)できるか」を検討していました。」
株式会社恒電社さま
「2021年、恒電社が事業ドメインをBtoCからBtoBへ大きく転換するタイミングで、社内外に新たな方向性を明確に示す必要がありました。そこでマーケティング組織の新設が急務」
上記の2社で定めたKGIをこの場でお伝えすることはできませんが、結果的に定めたKGIは両社で異なりました。
ヒアリングを進めていくうちに「目的達成のために、まずはこのKGIを追う」と決め、そのKGI達成に向けてひた走ります。
では、KGI達成のためのKPIは何を見るべきか?そして、いくつ見るべきなのでしょうか?
KPIはいくつ見るべき?
「KPIはいくつ見るべき?」はよく頂く質問です。
私の場合は「まずは見れる限りの数字を全て見る。その上で、結果に寄与している数字を見つける。それをKPIとする。」としています。
ポイントは「結果に寄与している数字を見つける」ことです。ただ、これが本当に難しい。いまだに「こうやれば、寄与している数字を見つけられますよ。」とは言えません。
なぜ、そう言えないのか?
色々考えましたが、「世の中が常に変化している = 外的要因」の影響ではないでしょうか。
例えば、インターネットがなかった時代にKPIを「セッション数」とはしなかったはずですが、今では重要な指標の一つです。もしかしたら、これからは「LLMの表示結果における自社の掲載数」が重要になるかもしれません。
故に、結果が出るまでは「できる限り全ての数値」を見ます。
行動数 = コントロールできることもKPIにすべき
リード数やセッション数のような数値は「完全にコントロールできるもの」ではありません。一方で、コンテンツの作成数、メール配信数、架電数といった行動は「人」の意思で増減をコントロールできます。
ただし、行動だけをKPIに設定すると「とにかくやればいい」という作業になり「質」が落ちやすい。
逆にコントロールできない数値だけをKPIに置くと「人」はモチベーションを失い「量」が落ちやすい。
だからこそ重要なのは、質と量のバランスをとること。その両方のKPIを追うことで、結果につながります。
>> 「【AI × 人】マーケティング戦略の作り方 - Who・インサイト編」
Copyright © HARAFUJI LL. All Rights Reserved.