Q.担当業務を教えてください。
経営企画室とマーケティング部門の責任者を務めています。
Q.原澤と、どのように出会いましたか?
前職で同期というご縁から、原澤さんとは出会いました。
2021年、恒電社が事業ドメインをBtoCからBtoBへ大きく転換するタイミングで、社内外に新たな方向性を明確に示す必要がありました。
そこでマーケティング組織の新設が急務となり、「この局面を伴走して支援してくれる人」として真っ先に思い浮かんだのが原澤さんでした。
目的や背景を共有したところ快くお引き受けいただき、原澤さんの参画が決定しました。
━━━他の候補(人材派遣会社など)と比較されましたか?されていたなら、なぜ、選んでくださいましたか?
比較検討はしていません。
2021年当時の私は、マーケティング支援会社というと「Meta広告が得意」「SEOが得意」「LINE公式アカウント運用が得意」など、特定の手法(How)に特化した企業が多いという印象を持っていました。
当時の私が求めていたのは、「ゼロから組織を立ち上げられる広い視野」を持った方でしたが、いちから新しく探しても、そういった人にはなかなか出会えないだろうと感じていました。
一方で、原澤さんについては、各種マーケティングチャネルに精通しているだけでなく、マーケティング活動全体を俯瞰する視点を持っていると、前職の頃から感じていました。
また、何より「元気で、人としての信頼性」が高かったことも決め手です。笑
この二点があったため、迷わず原澤さんにお願いしました。
━━━原澤に頼む際、不安はありませんでしたか?
ほとんど不安はありませんでした。
というのも、私はそもそも外部のコンサルタントやパートナーに依頼した場合、仮に期待と異なる結果になったとしても、その最終的な責任は依頼した恒電社側(クライアント側)が引き受けるべきだという考えを持っています。
原澤さんにお願いしたかったことは、「意思決定そのもの」ではなく、「意思決定の質を高めるためのノウハウ・情報・考え方」を提供していただくこと。
実際、原澤さんの知見や経験を借りることで、チーム立ち上げのスピードと精度が飛躍的に向上したと思います。
もし自分一人で手探りしながら進めていたら、今の状態に到達するまでには相当な時間がかかっていたと思います。
━━━2025年の今でも、同じ意思決定をされますか?セオリーならAIでも聞ける時代です。2021年の「情報をゼロから自分で集めてインプットしていくのは労力がかかる」時代とは違いますが、それでも、同じ意思決定をされますか?
はい、同じ意思決定をすると思います。
もちろん現在では、AIからも一定のセオリーや基本的なノウハウを得られるようになっています。ただし、AIはあくまで「こちらが投げかけた問い」に答えてくれる存在です。
つまり、「組織の理想像を描く」「理想像の実現に向けて何が課題や問題なのかを設定する」「そもそも、どんな問いを立てるべきかを見つける」といった根本的な仕事は、今もなお私たち自身がやる必要があります。
この領域には、引き続き「人間のマーケター」の関与が不可欠だと感じています。
Q.HARAFUJIに依頼する前、どのような課題がありましたか?
やるべきことの大枠は見えていたものの、「具体的にどこから手をつけるべきか」が曖昧で、次のような課題を感じていました。
- BtoB マーケティングのセオリーに関する知見不足
- ゼロイチで組織を立ち上げるノウハウの不足
- BtoC のブランドイメージからの脱却の難しさ
- 多数の施策間での優先順位付けの困難
- 他社比較に基づく客観的な自社課題の把握不足
- 「マーケティングチームのあるべき姿」の解像度不足
Q.HARFUJIによって、どのように課題解決されましたか?
マーケティングチームを創るうえで、最初に「Whyから始める要件整理」を行ってもらったことによって、私の中で「何から手をつけるべきか」が明確になりました。
具体的には、「そもそもなぜ恒電社が社会に存在するべきなのか?」「なぜこの事業を行うのか?」「誰にどんな価値を届けたいのか?」という、事業の存在意義や目的を深掘りし、第三者の視点から一緒に言語化してもらいました。
一般的なマーケティング支援会社では、「いつまでに、どれくらいのコンバージョン数を目指しますか?」という数値目標から会話が始まることが多いと思います。
もし私自身が独学でマーケティングを進めていたら、同じように数字からスタートしていました。
しかし原澤さんは、「まずWhyから定義しましょう」と提案してくれました。
実際に原澤さんから問いを投げかけられ、本質的な部分を深掘りしてもらったことで、「言われてみれば確かにその通りだ」「そこは考えられてなかったな」と腑に落ちる瞬間が何度もありました。
一連のプロセスを経て、自分自身、新しい気づきを得ることがとても多かったです。
あとは、Whyが最初に整理できたので、どの施策を実行しても、目的とのズレが生じにくくなりました。
Q.様々な施策をする中で、特に「やってもらって助かったな」という施策は何でしょうか?
※実施内容:戦略設計、Web(設計/改善/リニューアル・制作代理店とのやりとり)、コンテンツ制作(記事制作・ホワイトペーパー・サムネイル)、メルマガ(設計/整理・メール作成・分析)、その他(MTG運用/管理・データ分析諸々・広告運用)
ざっくりというなら「緊急ではないが、重要な領域(第2領域)」の施策を、定期的かつ継続的に支援してもらっていることです。
「時間をかけてでもじっくり考えるべき、とても重要な領域」の支援だと言い換えられますね。
※アイゼンハワーマトリクスとは?:アイゼンハワー・マトリクス(Eisenhower Matrix)とは、仕事やタスクの優先順位を「重要性」と「緊急性」で分類するフレームワークです。アメリカ第34代大統領・ドワイト・D・アイゼンハワーの名に由来し、「重要なことと緊急なことは違う」という彼の考え方に基づいています。
マーケティングの実務では、どうしても「緊急かつ重要(第1領域)」な施策ばかりが優先されてしまいます。
でも、そこだけをやっていると「この施策、そもそも何のためにやっているんだっけ?」と目的が曖昧になりがちなんです。
その点で原澤さんは、「Who(誰に向けて)」「What(何を)」「How(どうやって)」といった施策の前提を定期的に整理し直してくれます。
そのおかげでマーケティング施策の無駄打ちが大きく減ったと思います。
余談ですが、本インタビューの回答を考えている時、学生時代に目にした小泉信三『読書論』にある「すぐに役立つことは、すぐに役に立たなくなる」という言葉を思い出しました。
※「すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる」とは?
スマホ検索のように、すぐに答えが得られる知識は便利ですが、すぐ忘れられ、応用がききません。短期的な「役立ち」は、長期的には価値を持ちにくいのです。荒俣宏さんは、一見無駄に思える経験や、間違いに引っかかる感覚こそが、時間をかけて深い学びにつながると語ります。すぐに使われる“まっすぐな木”は早く刈られ、残らない。一方、“使えない木”は長く残り、やがて人々に価値を認められる――そんな例えを用いて、本質的な学びの重要性を説いています。 引用元:荒俣宏著『すぐ役に立つものはすぐ役に立たなくなる』
私は、HARAFUJIのマーケティング支援に、これに近い価値を感じています。
率直にいうと、原澤さんのご支援は必ずしもすぐに結果が出るとは限りません。ただ原澤さんとマーケティングを続けるうちに徐々に成果が蓄積されて、大きな効果が出始めるような実感があります。
施策を積み重ねれば積み重ねるほど、徐々にレバレッジが効いてくる「ストック型」のマーケティング施策を構築できているのは、非常にありがたいです。
短期的な成果だけを求めるのであれば、他にもっと適した企業もあるはず。でも「じっくり腰を据えて重要なことを積み重ねていく支援」ができるのは、原澤さんのようなタイプだからこそだと感じています。
また、マーケティングのセオリーである「“お客様が何を求めているのか”と、企業として“何を伝えたいのか”」、この2点のバランスを丁寧にとりながら、現場の施策に落とし込んでくれる点も助かっています。
このバランスをとってくれるため、社内のマーケティングメンバーも納得感を持って施策に取り組むことができていますね。
━━━ありがとうございます。他にありますか?
日頃の具体的な実務として、以下の2点が助かっています。
- サムネイル制作
- サービスページのワイヤーフレーム(入れるべき要素と順番)の作成
サムネイル制作においてはコンテンツの意図を汲み取りつつ、視認性やブランドトーンに沿ったデザインに仕上げてくれるため、実務的な支えになっています。
サービスページに関しても、単なるデザイン案ではなく「どの要素を、どの順番で配置すべきか」といった構成(ワイヤーフレーム)を整理してくれることで、訴求力のあるページ設計ができるようになりました。
こうした実務面でも助かっています。
画像引用元:恒電社ホームページ
Q.HARAFUJIとのプロジェクトがスタートしてからどれくらいで「マーケティングで成果出てるな」と思いましたか?
プロジェクト開始から1ヶ月ほどだと思います。
最初の打ち合わせで、「どうして恒電社は世の中に必要なのか?」「なぜこの事業をやるのか?」と聞かれた時、正直「こんなところから始めるんだ」と驚きました。
普段、このような本質的な質問を自分に投げかける機会がほとんどなかったからです。
個人的には、こういった本質的な問いを投げかけてもらい、それに答えて自分の考えをアウトプットした瞬間に「この取り組みをやって良かった」「原澤さんに頼んでよかった」とすでに成果を感じていました。
ちなみに、私自身、「成果」と「結果」は分けて考えています。
一般的なマーケティングでは、CPAやコンバージョン数といった数字(結果)が重視されますが、マーケティング活動には「数字で表現しにくい成果(例:お客さまからの感謝の言葉、社内メンバーの意識改革など)」も多くあります。
例えば、問い合わせ数という「結果」が増えたとしても、それが原澤さんの支援によるものなのか、別の要因なのかを厳密に証明するのは難しいものです。
それよりも、「Why」を聞かれて、「自分はまだ深く考えきれていなかった」と気づき、「代表にも改めて確認してみよう」「もっと深いところまで考え、言語化しなければならない」と思えたこと自体が、最初に原澤さんがもたらしてくれた大きな「成果」です。
お客さま視点はもちろん、時には恒電社メンバー視点で、時には第三者視点で、会社/チーム/個人に、「大切なことを考えるきっかけ」をくれる。
これがHARAFUJI 原澤さんの一番の価値ではないでしょうか。
Q.HARAFUJIへ、今後期待することはありますか?
AI時代のマーケティング支援ができるとありがたいです。
AIO・LLMO周りの対策は避けて通れませんので、その対策に期待しています。
これからもよろしくお願いします。
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